新卒採用 仕事と育児を両立させて働く

神谷絵理奈 学術研究支援部

慶應義塾大学の法学部在学中から、大学職員を身近に感じていたという神谷絵理奈さん。新卒採用で就職し、現在は1児の母として、仕事と育児を両立する毎日。職場環境や仕事で身についたことなどについて聞きました。

ワクワク感とスピード感に溢れていたSFC

2012年に就職して、今8年目を迎えています。慶應義塾大学の法学部法律学科で知的財産法のゼミにいたので、主にメーカーへの就職を考えていたのですが、当時は法務職採用がなく、基本的には営業職採用で、後に適性があれば法務に配属するというところがほとんどでした。唯一受けた大学である慶應義塾に決めたのは、教員と学生をサポートしたい、自分の性格的にもそれが向いているのではないかと思ったからです。また、学生時代に所属していたゼミナール委員会では学生部とやり取りすることが多く、大学職員の方を身近に感じ、社会人として働く姿を想像しやすかったというのもあります。

就職後は、日吉キャンパス事務センターで行われる2ヶ月間の職場研修を経て、湘南藤沢キャンパス(SFC)の学事担当になりました。SFCは次から次へと新しいことに挑戦しよう、学生にとってより良い環境にしようと意欲的な職員が多く、それに対してみんなで一緒にやっていこうという一体感があって、ワクワク感とスピード感が溢れる職場でした。仕事では常にどの学生に対しても平等に接し、問い合わせ内容をしっかり聞いた上で、納得してもらえるまできちんと説明することを心がけていました。

業務を通じてスキルが身につく

2019年6月からは三田キャンパスにある学術研究支援部に配属されました。学事担当として働いていた時とは打って変わって、教育現場で指導する"教員"としての先生ではなく、研究に打ち込む"研究者"としての先生をサポートする仕事をしています。学術研究支援は、文部科学省の助成事業である科学研究費の管理・申請と、国や民間との共同研究の管理の2つに分けられ、私は科学研究費を担当しています。科学研究費は公的資金なので、例えば、何か備品を購入する場合、どのような実験、研究のために使われるのかを一つ一つ確認し、適正に使われているかどうかを管理します。それによって、先生方はスムーズに研究課題を遂行し、成果を出すことができます。

学生の立場では、学事担当や入学センターなど、学生と関わる仕事がイメージしやすいと思いますが、慶應義塾には様々な部署があります。当然キャンパスによって文化も違えば組織も違うので、全く同じ職場環境というのはありません。今の部署は、学内がメインだった学事担当の業務内容と比べると別業種に転職したかのように異なり、外部の方とのやり取りや公的書類作成など、異動直後はまるで未知の領域でした。どの仕事も新鮮で、新しくゼロから覚えることを楽しんでいます。共通する業務ももちろんありますが、キャンパスによって制度や接する先生方が異なりますし、どのように説明したらきちんと伝わるかをすごく考えるようになって、マネジメントやコミュニケーションのスキルがアップしたと思います。いろいろな人との出会い、仕事によって様々な能力が身につき、社会人になってからの8年間は常に成長し続けられていると感じています。

仕事と育児を両立できる環境

私は今、子育て中です。SFCのときもそうでしたが、三田キャンパスにも現在妊娠中の方や、出産後に育児休職を経て、時短で働いたりしている人が多く、出産を機に退職する方はほとんどおりません。上司や先輩にも子育て経験者が多数いるので、制度利用への理解があってとても働きやすい職場だと思います。慶應義塾の時短勤務は、子どもが小学校1年生の9月まで、1日30分単位で最大2時間まで取ることができます。自分自身のキャリアも大事にしたい私にとって、職場環境の良さはここで働いている理由の一つです。

私の勤務開始時刻は8時30分なのですが、保育園に子どもを送ってからだと間に合わないので、30分始業を遅らせてもらっています。帰りも通常は17時の終業時刻を16時30分にしてもらっています。その他にも看護休暇という、有給休暇とは別の休暇もあり、この制度は男性職員も多く利用しています。どうしても子どもを優先せざるを得ない場合もありますし、子育てを支援する制度が充実していることは本当に有難く思っています。また、子育てしながら働くようになったことで、子どもの看病で急遽休む必要が出た時のために、常日頃から自分の仕事状況について周囲に知っておいていただくよう、これまで以上に"ホウレンソウ"を心掛けたり、時短勤務で限られた時間の中で、残業を前提としない働き方を意識したりできるようになりました。

自ら考え、提案する力を

1858年に福澤先生が蘭学塾として開塾した慶應義塾には、昔からの良い伝統が非常に多くあります。一方で、グローバル化や大学間の競争は、今後ますます広がり、大学の変化も求められていくでしょう。グローバル化において言えば、学内には日本語が話せない学生や教員もいます。その方々をどのようにサポートできるか、経験をどのように業務に活かせるのかを考え、周囲に提案し、改善していこうという職員一人一人の積極的な姿勢が必要だと考えています。慶應義塾を就職先として考えていただいている皆さんには、ぜひ伝統を守りつつも、変化し続けている社会に対して柔軟に対応できる力を身につけてほしいと思います。

問題を発見し、解決策を考えて提案する。普段の業務があるのでなかなか難しいけれど、私自身もその意識を忘れないようにしたいですね。今の部署はまだ1年目で、一つ一つの仕事を覚えることが今の第一の目標ですが、2年目以降は、そこに自分らしい付加価値をプラスして、もっと成長していきたいと思っています。