経験者採用 総務業務に携わる

慶應義塾に"二度"就職した、横田明子さん。一度離れた身だからこそわかる、慶應義塾の魅力や、部署での経験、仕事への想いを聞きました。

慶應義塾の一番の魅力は、「人」にある

もともとは、博物館の学芸員を夢見て学部時代に資格を取りました。ただ、専門性の高い仕事である上にとても狭き門なので、自分の研究を深めるために、大学院への進学を選びました。そこで図書館司書の資格をとったことで、目標を図書館司書へとシフトさせ、大学に就職したいと考えるようになりました。就職活動を経て2006年から慶應義塾に勤めましたが、約8年間勤務したのちに、転職。他大学での勤務を経て、経験者採用で2016年、再び慶應義塾に就職するという、少し異色の経歴です。

2006年に新卒で慶應義塾に就職した時、最初の約1カ月半は入学センターで職場研修を行いました。私は学部と修士の6年間、予備校のチューターとして、受験生から入試に関わる相談を受けていたんです。当時の人事課長に、大学側の視点で、業務として入試から入学までがどのような流れになっているかを知っておくのはいい経験になると言われ、入学センターへの研修配属が決まりました。人も温かく、やりがいもあって、とても楽しく職場に慣れることができました。その後、三田キャンパスにある人事部に本配属になり、出退勤管理や採用、研修、労務管理などを担当しました。

慶應義塾は、職場としてとても働きやすいです。ポイントを3つあげると、教職員同士の距離が近く、お互いが尊重し合う風土であること。子育て・介護支援制度や福利厚生等が充実していて、働きやすい環境が整っていること。風通しがよく、上司・同僚・部下とのコミュニケーションが円滑に取れること、でしょうか。そして、その根底には、働いている人たちがとても魅力的、ということがあります。日常業務の関わりの中でも良くしていただいており、困ったときは必ず手を差し伸べてくれます。本当に、人に恵まれている環境です。

新しい環境でキャリアを磨き、"再度"慶應へ

就職してから8年間、無我夢中で走ってきたという実感があり、ふと自分のキャリアを考えたときに、新しい環境に身を置くことが必要なように感じ、転職することを決めました。

人事部での経験や知識の蓄積があったので、転職先でも、主に人事担当部署に配属され、さらに人事分野のスキルを高められたと思います。人の繋がりや仕事の視野も広がって、社会人として成長できたと考えています。その矢先、慶應義塾が、義塾で5年以上の専任職員としての勤務経験があり、退職後5年以内の元職員を対象に経験者採用を実施していると聞きました。「戻る」ことに対して葛藤がなかったわけではありませんが、思い切って応募を決断しました。

心機一転、と意を決して、2016年に再び慶應義塾に戻り、信濃町キャンパスの総務課に配属になりました。"再就職"にかなり緊張していたのですが、職場のみなさんは本当に温かく迎えてくださいました。偶然にも、人事部時代に仕事の関わりが深かった方々や気心の知れた同期が信濃町に集まっていたこともあり、ずっと慶應義塾にいたかのような雰囲気で仕事に取り組むことができています。本当に幸せなことです。

慶應義塾を離れて気づいたことがあります。それは、慶應義塾がさまざまな分野において先導的であり、大きな影響を与えている、ということです。在職中よりも、外に出て気づかされる機会が多く、慶應義塾の社会的信頼が絶大であることを認識しました。慶應義塾に戻ることが決まり、その社会的信頼を裏切ることがあってはならないと身を引き締めると同時に、そのような影響力のある組織で働くことが、仕事のやりがいにもつながることを改めて実感しました。

大学と病院、「慶應義塾」の教育・研究・医療を実感できる総務課での毎日

今の部署は、慶應義塾大学病院(慶應病院)の総務課も兼ねているので、医学部と病院に関する諸々の事務を担っています。医学部の式典や行事の運営、医療個人情報保護体制の整備、病院系補助金の申請取りまとめ、医学部・病院の広報業務など、担当業務は多岐にわたります。昨年の2017年に医学部が開設100年を迎えたので、5月に記念シンポジウム・式典・祝賀会を行いました。私が所属する総務課は、医学部企画室と信濃町キャンパス国際担当と一緒になって、その運営事務局を務めました。医学部開設100年という前例のないイベントだったので、一からつくり上げる必要がありましたが、教員と職員が職種を超えて互いに協力し合い、たくさんの会議と打合せを重ね、準備と確認を徹底しました。当日は約1000人の来賓と塾員(卒業生)、塾生、教職員が一堂に会し、とても華やかな会になりました。当日の大切な瞬間を無事に迎え、盛況のうちに終えることができ、安堵したのと同時に大きな喜びを感じました。

2020年、慶應義塾大学病院は100年の節目を迎えます。先駆けて2018年5月には新病院棟(1号館)もオープンするので、大学病院事務局が中心となり、竣工式と内覧会の準備を進めています。医学部開設100年と同様、100年に一度という機会に、身近で関わることができるのはとても貴重であると感じています。総務課は、大学と病院の両方を広く見渡せるポジションにある部署なので、今まで知らなかった「慶應義塾」を知る機会が増えました。ここでの毎日は、今後、慶應義塾で働いていく上で、とてもいい経験になっていると実感しています。