嘱託職員から経験者採用 医療統括業務に携わる

社会に欠かせない存在である、病院を支えたいーー。その一心で、女子大学から専門学校を経て、慶應義塾大学病院への道を歩んだ、小田ちひろさん。アルバイト、嘱託職員を経て専任職員となった小田さんに、ここで働き続けたい理由を聞きました。

伯父の入院をきっかけに、慶應義塾大学病院を志望

アルバイト時代も含めると約5年、慶應義塾大学病院(慶應病院)医事統括センターに勤務しています。私は少し経歴が変わっていて、もともとは他の女子大学の経済学部の出身です。当時、ゼミの教授に「高齢化が進む日本において、病院はなくてはならないものだが、経営が困難になることもある。今から医師になることは、みなさんにとって難しいかもしれないが、経営面から支えることはできる」と言われたことが強く心に残り、卒業後、専門学校の医療秘書学科に進みました。病院の経営に関わりたいと思ったのです。

就職先として慶應病院を志望したきっかけは、伯父が慶應病院に入院したことです。病棟で働くクラークの方々の伯父への対応が素晴らしくて、いい病院だなと感じました。それで、専門学校での実習先として慶應病院を志望し、その実習経験を通してさらに興味が高まったので、専門学校で募集のかかった慶應病院の嘱託職員の求人に応募しました。採用が決まってから正式に着任するまでの間は、アルバイトとして職場に仲間入りしました。その後、嘱託職員の任期が終わるころに専任職員の採用面接を受けて、今に至ります。

システム面から病院経営を支える、という「やりがい」

今担当しているメイン業務は、請求書関連の処理や計算システムの構築です。慶應病院は、一日に外来の患者さんが3000人ほどいらっしゃるので、電子カルテや医事システムなど、非常にたくさんのシステムを使っています。そのシステム同士を連携させたり、スムースな計算ができる環境をつくったり、システムの中身を整えるのが、私の仕事です。事務部門だけでなく、いろんな先生方や部門の方と関わり合いながら進めています。

自分の整えたシステムが実際に稼働し始めて、人の流れや業務の運用方法が効率化されて、変わっていくのを見ると、やりがいを感じますね。例えば、今まで、手術以外の検査などは紙伝票を使って経理処理していました。紙伝票を実際に現場で持ち運びして、請求担当がその内容を手で打ち込んで計算していたのですが、それがシステム化されると、全部システム上でポンとできるようになります。便利ですし、間違いは少なくなるし、ペーパーレスも実現できます。仕事を進める上ではもちろん大変な面もありますが、こういうのを目の当たりにすると、楽しいですね。

契約形態に捉われず、同じ目線で取り組める

嘱託職員時代も、特に業務を制限されることなく、いろんなことにたずさわることができました。もちろん契約が有期なので、長期間にわたるワーキンググループなどには入っていませんでしたが、そういった活動に参加している同僚や先輩などに意見を求められることは多々あり、バックヤードから支えているといった感じでした。そのつど、専任職員のみなさんと同じ目線で一緒になって考えるので、平坦な業務というよりも、いろいろなことに能動的に取り組んでいました。

今は慶應病院に勤務していますが、専任職員になると異動もあります。今は、医事統括センターに勤務していますが、幼稚舎やSFCに勤務する可能性もあるんです。もともとは病院の経営に興味があって、それを入り口に就職しましたが、他のキャンパスに異動になっても、それはそれで面白そうだなと思っています。新しい世界で新しい経験を積めるので、今とはまた違うものが見えてくるんじゃないかと期待しているんです。

ワークライフバランスよく、アットホームな職場環境

慶應で働く魅力の一つは、仕事とプライベートのバランスが"ちょうどいい"ことではないでしょうか。私は、毎週木曜日にテニスのレッスンに通っていて、その日は6時半に職場を出ないと習い事に間に合いません。でも周りの方がそれを理解してくださっていて、「木曜日だから、夕方の打ち合わせは避けよう」「今日はもう、出る準備しないとね」などと言って配慮してくださるので、とてもありがたいです。もちろん、木曜日以外には夕方の打ち合わせが入ることもあります。

福利厚生も充実していると思います。女性の場合、出産する機会もあるかと思いますが、育児休職を取って復帰する方が多いです。特に、今私が所属している医事統括センターは育児休職を取りやすいイメージがありますね。実際に休職を経て復帰された方で、「仕事に戻りやすかった」と伺ったこともあります。そういう環境もあってか、離職率も低い印象です。

慶應と言うと、ドライなイメージを持たれることもありますが、実際の職場の雰囲気はとてもアットホームです。健康保険組合主催のテニス大会や、地区対抗野球大会などもあり、自由に参加できます。私も参加したことがありますが、楽しいですよ。